今回訪問:2015/12/19

ちょっとだけ趣味の話から。
私の数少ない趣味のひとつに蕎麦打ちがある。今よりずっと若い頃、蕎麦のマイブーム的なものが起こり、その熱が冷めないまま独学で蕎麦打ちを始めてみることになった。当然すぐには人に自慢出来るようなものは出来なかったが、ここ近年においては信州諏訪の某製粉所から薫り高いちょっと良い蕎麦粉(2000円/㎏くらい)を取り寄せて大晦日の年越し蕎麦を多量に打ち、お世話になった各所に年末の挨拶を兼ね配って廻るのが慣例になるくらいにまでなった。しかし昨年、身体の不調(首からくる左腕の痺れと痛み)を理由に十数年続けた年末の蕎麦打ちを引退することにしてしまった。(偶には少量打つかも)
そんなことで、蕎麦にはちょっとうるさいのです。今日はうんちくが入り長めの内容になりますので、ご注意ください。

今夜は、拝島駅から徒歩5分位のちょっと離れた場所にある[sobaみのり]に行ってきました。CM151219-194956002
今回はラーメン屋じゃなく、蕎麦屋です。ここ[sobaみのり]は、斬新な創作蕎麦でメディアでも取り上げられている有名なお店らしい。(知人に教えてもらうまで知らなかった)
12月22日(明々後日)で満6周年とのことで、お店から感謝の言葉を綴ったボードが店外にあり、店の実直な姿勢が窺えます。
それにしても、店構えがカフェや隠れ家的レストランみたいな感じで蕎麦屋っぽくなく、店内はもっとセンスの良いお洒落っぷり。女性が気軽に1人でも来やすい店づくりを心掛けているようです。
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内装は白と木目がミックスした所謂和モダンな空間。カウンターもテーブルも席間が広々としていて、周囲を気にせずゆったり食事が出来そうだ。

20:00入店 先客4後客0。駅から離れているし、ほぼ住宅地エリアだから土曜の夜でもこんなものなのかな。
たっぷりあるメニューの写真を全て撮ってきました。
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蕎麦粉は1週間単位でそのとき一番美味しい銘柄のものを入れ替えているとのこと。今日の蕎麦は群馬県赤城深山産「新そば常陸秋そば」。またそれらの蕎麦粉を9:1の九一蕎麦にして薫り高く仕上げているとレジ横に告知が貼られていた。随分と自信があるようでハードルを上げてくる。
メニュー構成は、基本の「ざる蕎麦」「かけ蕎麦」「つけとろろ蕎麦」「鶏と大根の柔らか煮蕎麦」などや、創作蕎麦の「スパイシー豚角煮汁蕎麦」「舞茸ペペロン汁蕎麦」「お蕎麦屋さんのカルボナーラ」などがある。その他に天ぷら・一品料理・デザート・ドリンク・酒も充実していて、年末・季節・曜日・昼夜の限定メニューなども提供されている。(詳細内容は写真を確認して下さい)
事前に何を食べるか決めていたが、これだけのメニューを見ると別のものにも目移りしてしまう。気付いちゃったけどメニューにトマト系・バジル系・魚介系がない。これだけメニューが豊富ならあってもいいようなもんだけど。

「お蕎麦屋さんのカルボナーラ」1000
「生ビール(ジョッキ)」600

15分位で配膳完了。
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「お蕎麦屋さんのカルボナーラ」1000
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「生ビール(キリンハートランド) ジョッキ」600

斬新なフォルムの洋食器で登場。カルボナーラのイメージだから洋食っぽい綺麗な盛り付けで、もはや日本蕎麦のビジュアルではないが美味しそう。
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ソースは、所謂パスタのカルボナーラとはちょっと違い、それほど重厚感はなくフワッとした舌触りで和とも洋とも思える味で非常に美味しい。メニューに山芋・蕎麦つゆ・卵が使用されているとのことだが、その材料だけじゃとろろ蕎麦と変わらないから生クリームでも少量入ってるんじゃないかな。ベーコンと粉チーズの塩気と黒胡椒が全体の味を決めているようで、確かに知っているカルボナーラみたいな雰囲気になっている。山芋の擦りおろしが空気を含んで泡立っているから、卵や粉チーズのマッタリした重さを和らげて食べやすくなっているのだろう。そのフワッと仕上げたソースが、質量の割には蕎麦とたっぷり絡んで満足感をだしたり、箸で持ち上げたときに蕎麦切れをさせなかったりと、かなり考えて作り込まれている感じがした。こいつは万能ソースだね。
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蕎麦は、毎日手打ちしているようで入り口横には製麺室があり蕎麦打ちを見られる(今日は見れなかったが)ようになっている。そういえば、私が蕎麦打ちを勉強し始めたときに「水まわし」から「のし」までずっと見ていたことがあった。いま改めて考えると、不審に思われていたかもしれないな。
「常陸秋そば」、個人的にあまり馴染みが無かったのでネットで調べてみたら「常陸秋そば」はブランド名で群馬だけではなく栃木でも茨木でも生産されていた。香りと甘味が強い品種とのことで、評判の良い蕎麦のようだ。ただ、私が思う良い粉とはブランドや産地もそうだが、いつ収穫され、どのように保管され、いつ挽いて、どう挽いたのかが重要だと考える。蕎麦は収穫してから時間経ったり保管の温度湿度等の影響や挽いた時の摩擦熱などでドンドン劣化が上乗せされていく。だから個人で全て製粉するとなると少々管理が大変なので、ちゃんと品質管理をされている信頼できる製粉会社にお願いするのが宜しいかと思っている。
また、個人的な旨い蕎麦の優先度として香り>喉越し>食感ではないかと思っている。出来るだけ、挽きたて・打ちたて・茹でたてが良い。特に打ちたてをすぐ茹でて食べるのが、一番風味が強い至福の旨さだと私は思う。

[sobaみのり]は毎日の必要量を自家製粉してから製麺しているとのことで、挽きたての蕎麦が食べられる。「お蕎麦屋さんのカルボナーラ」の麺は2mm角位の細打ちで、蕎麦の実の外層を含めない(挽きぐるみでない)並挽きの蕎麦。九一の割にはしっかりした蕎麦になっていて、ソースと絡んでも切れることはなかった。ただ問題なの蕎麦としての香りがしないこと。ソースに強い香りがあるということもないので、蕎麦自体の香りが皆無に近いということだ。訪問した時間が20:00~20:30と遅い時間だったので、開店前に打っていれば香りが弱くなっていても仕方ないか・・・。「ざる蕎麦」を追加注文しても良かったのだが、今回はやめていつかもっと早い時間帯(ランチタイムとか)に訪問した時にしてみようと思う。
それにしても何故このメニューでこの太さなのだろうか?蕎麦的雰囲気を出したいからでしょうか。個人的には、ズズズっとした喉越しはカルボナーラ的に無理があるので蕎麦を強調させたいなら香り重視にし、切り幅も細打ちにせずフェットチーネのような幅広の方がもっと香らすことが出来るのではないだろうかと思う。色々試されてこの結論に至っているだろうからこの状態がBEST何だろうけど、一度本気の自作で試してみようと思う。

3~4人でお酒を呑む前提で訪問すると、もっと面白いかもしれない。豊富なメニューから個々に好きなものを注文し、シェアしながら日本酒やワインを呑みまくる。締めに経験のない創作蕎麦を食べる・・・・・。想像しただけでも楽しそうだ。(実は蕎麦だけでなくワインにもうるさいのです。この件はいずれまた)

7年目頑張って下さい。

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店舗DATA

(住所)〒196-0004 東京都昭島市緑町4-17-15
(電話番号)042-546-2270
(営業時間)平土11:30~15:00(LO14:30) 17:30~21:00(LO20:30)
        日祝11:30~21:00(LO20:30)
(定休日)火曜日・第3水曜日
(席数)カウンター7席 テーブル4席×3卓
(喫煙)不可
(駐車場)4台
(URL)http://www.sobaminori.com/

soba みのりそば(蕎麦) / 拝島駅
夜総合点★★★☆☆ 3.5